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それでは、事例の方に入らせていただきます。
まず概要です。登米圏域なんですが、宮城県仙台から北の方に約70キロのところにございまして、登米郡を構成する8町から成っておりまして、広域圏の人口は約9万3000人強でございます。登米郡そのものは大変昔から踊りとか歌という文化活動は大変盛んなところでございました。早くホールが欲しいなという前からの動きがあったようでございまして、宮城県の広域圏活性化推進プロジェクト事業というのがございまして、県民が待望していた芸術文化の拠点施設としまして登米祝祭劇場、愛称が水の里ホールでございますが、平成6年9月24日にオープンいたしました。
宮城県の広域圏活性化プロジェクト事業というのは県の事業でございまして、県が積極的にいろんな文化に対する支援を行うということでやっているわけでして、このほかに宮城県内の気仙沼の方には美術館が建設されていますし、この事業の第1号が私たちのホールでございまして、ついこの間仙南の方にも「えずこホール」というのが、完成しました。県内を5つのブロックに分けてそれぞれ県の事業で、これからまた別な広域圏の方で、ホールばかりじゃないんですけれども、例えば生涯学習センターとか、そういったものも今後できるようでございます。
登米祝祭劇場というネーミングなんですけれども、話が前後しますが、登米地域は祭りとゆった文化が盛んでございまして、今後の文化振興も農耕の歴史を背景にした祝祭文化の伝承あるいは創造により推進される、国際的にも通じる文化施設になるんではないかなということもありましたし、宮沢賢治の作品「ボランの広場」という童話の中に祝祭が登場するようです。内容は、歌とか、そういった踊り、あしたの活力を再生するというような意味だそうですが、まさにそのまんま登米祝祭劇場、ちょっと劇場も変わっていますけれども、そういったネーミングでございます。水の里ホールというのは全国から公募したようでございまして、ほぼ500ございました。最終的には水とのかかわりが非常にあるということで水の里ホールとネーミングされたようでございます。
ホールですが、皆さん方にきょうパンフレットを渡しているかと思いますが、客席の両側、舞台の奥が大きなガラス面によって二重に外部と仕切られまして、休憩時にはカーテンをあけると外部の景色が楽しめるという構造でございまして、現在はまだ樹木がそれほど大きくないものですからまだまだ景色を楽しめるわけではないんです。ホールそのものの設計は音楽ホールを目的とした設計のようでございまして、日本には余り三方がガラス張りのホールがないのではないかなと思います。大変特色のあるホールでございまして、

 

 

 

 

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